欧州でも米国と同じように右派ポピュリスト勢力が政権を掌握する
欧州でも今後、トランプ第二期政権と同様、右派ポピュリスト勢力(国家・国民のための政治変革を目指す勢力が、既成の権力構造やエリート層を批判し、人民に訴えてその主張の実現を目指す社会運動の主体勢力)が政権を掌握するだろう。欧米文明は、リベラル左派全体主義独裁政権が、次のような政策を展開することによって凋落した。第一は、LGBTQ運動を拡散さぜ、反キリスト教運動を大々的に展開させたことだ。第二は、温室効果ガス説(産業革命後に二酸化炭素の排出量が劇的に増加したことで、地球の気温が上昇したとする説)をあたかも真理のように広め、石油・天然ガスの排出量を大規制したこともある。
第三に、選挙では選ばれていない官僚が支配する欧州連合(EU)のような国際機関の横暴で、世界各国の国民(主権在民)の経済社会生活を脅かす官僚独裁制を敷いたことが挙げられる。第四に、キリスト教が不倫問題を解決できず、結婚に対する意義も明確に説かなかったため、先進諸国では白人を中心に、少子・高齢化による人口減が進行している。このため、労働人口の現象という労働市場でのコストプッシュインフレで、経済社会が破綻する恐れがあり、合法・非合法を問わず、大量の移民を「受け入れる」ことにより労働人口現象問題を解決しようとしているようだが、受け入れ国の国民の仕事を剥奪させるとともに、社会不安をもたらすことになった。
こうした状況から、欧州諸国では右派ポピュリスト勢力(国家・国民のための政治変革を目指す勢力が、既成の権力構造やエリート層を批判し、人民に訴えてその主張の実現を目指す社会運動の主体勢力)が台頭し、多少の時間はかかるが政権を掌握するに至るだろう。米国で本格的に成立した右派ポピュリスト政権であるトランプ政権が、これらの欧州右派ポピュリスト勢力を支援していることも考えられる。Youtubeのイエアンドライフ・チャンネルのまとめによると、トランプ政権の政策と欧州右派勢力との政策は基本的に同じである。
トランプ氏の大統領当選が確定した翌日の11月6日にドイツのショルツ連立政権が崩壊し来る今年2月にドイツ議会総選挙が行われることが決まっているが、新設される米国の政府効率化省のトップになることが決まっているイーロン・マスク氏は25日、右派ポピュリスト政党「国民のための選択肢(AfD)」の集会にビデオ参加、「マスク氏はライブ配信のビデオで参加し、ワイデル党首との会話で、AfDは総選挙における『最大の希望』だと改めて主張した。」(https://www.cnn.co.jp/business/35228669.html、https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000400433.html)と語ったのはその証拠である。
欧州は欧州連合(EU)が結成されてから、EUの行政機関である欧州委員会(ドイツのメルケル首相=当時=が引き立てたウルズラ・フォンデアラアエン氏が委員長)の官僚たちが欧州諸国を支配しており事実上、民主主義国家の連合と言えなくなった。実際のところ、欧州連合(EU)は官僚独裁制である。また、ユーロという共通通貨を採用しているため、ドイツが貿易黒字を溜め込んでもユーロ高にならないため、EU諸国内の国家としての貿易不均衡は是正されにくくなっている。

加えて、フォンデアライエンEU委員会委員長らが頑なに温室ガス効果を「真理であり事実である」として強調、ガソリン車やハイブリッド車を排斥し、充電式の電気自動車(EV)の生産を推進しているが、EVには、①一回の充電で走行可能な距離が短い②燃料電池スタンドの数が少ない③燃料電池が非常に高いーことなどから、産業・家庭用の自動車には適さないことが分かってきた。このため。トランプ二期政権はEVに移行させる規制を撤廃させ、ガソリン車やハイブリッド車を復活させる大統領令を出した。このため、ベンツやBMWといった世界的に有名な自動車メーカーはEV生産を軌道に乗せることには失敗、米国に輸出が困難になったことも加わって、工場閉鎖や大規模な雇用者の解雇を余儀なくされている。
さらに、太陽エネルギーや風力エネルギーのクリーンエネルギーは供給が不安定であるうえに、政府からの補助金(原資はEU連合諸国の国民からの増税)がなければ、産業用の電力供給源としては使えない代物であることが分かってきた。特に、ドイツはロシアから海底パイプラインのノルド・ストリームをバイデン前政権の命令によってウクライナに破壊されるという事態まで起こった。原子力エネルギーは放射性廃棄物の処理方法が分からないため、安全なエネルギー源とは言えないが当座、処理方法を工夫すれば、一時しのぎにはなる。しかし、連立政権を組んでいた緑の党が原子力エネルギーを全廃してしまった。
このため、ドイツ南西部のルートヴィヒスハーフェン・アム・ラインに本社を置き、150年の歴史を持つ世界最大の総合化学メーカーであるBASFなどが、中国などの海外に脱出せざる背えないような状況になっている。この流れは、2月の総選挙でキリスト教民主同盟(CDU)が第一党に変わっても変わらない。事実上の左派リベラル全体主義独裁政権であるEUが欧州諸国の上に君臨する現状では、欧州諸国が経済力を失い、国民の経済社会生活が破綻する道はどんどん広がっている。ここに、右派ポピュリスト勢力(国家・国民のための政治変革を目指す勢力が、既成の権力構造やエリート層を批判し、人民に訴えてその主張の実現を目指す社会運動の主体勢力)が台頭する理由がある。欧州連合(EU)から脱退する諸国は今後、大幅に増加していく見込みだ。
次に、北大西洋条約機構(NATO)だが、トランプ2.0は現代版モンロー主義を本格化するため、世界170カ国に派遣している米軍を自国に撤退する流れだ。最も多数の米軍人を派兵しているのはドイツ、韓国、日本だが、これらの国を始め、世界各国から米軍が撤退する公算が大きい。Youtubeのフォンデアライエンチャンネルによると(https://www.youtube.com/watch?v=qsfC_8Etl-Q&t=661s)、トランプ大統領はマクロン大統領にNATOを任せたいようだ。
トランプ氏は第一期の大統領時代に、フランス政権掌握の最短距離にある国民連合を率いるマリーヌ・ルペン氏と良好な関係を結んでいない可能性がある(https://www.afpbb.com/articles/-/3113963)。また現在、マリーヌ・ルペン氏は、「2004年から2016年にかけて、議会から受け取った公設秘書の給与を党の活動資金に流用した罪」でマクロン政権側から訴えられ、裁判が始まっている。「ルペン氏はこれまで無罪を主張し全面的に争う姿勢を示していますが、有罪になれば3年後のフランス大統領選挙に立候補できなくなる可能性」もある(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241001/k10014597091000.html)。
これは、マクロン政権側の謀略とも考えられるが、Youtubeのイエアンドライフ・チャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=qsfC_8Etl-Q)の見解に、サイト管理者の見立ても合わせると、①トランプ大統領は伝統的に米国の外交政策に干渉し、大英帝国建設のノウハウをもとに「米国単独覇権主義」を米国に強要してきた英国は極めて極めて好戦的な国家(米国は英国に対して独立革命を起こしているし、南北戦争時代に英国は南軍を支援した)で、NATOを任せられない(実際、スターマーシュ首相はゼレンスキー大統領と100年軍事同盟を結んだ=https://www.bbc.com/japanese/articles/c4g9999mwnwo=)②欧州最大の経済大国(であった)ドイツは、第二次世界大戦を引き起こした罪を問われており、かつ、核保有国にもなれていない③フランスは、対ウクライナ支援額が日本よりも少なく、ウクライナ戦争に乗めりこんでいないーことから、トランプ大統領は米軍撤退後のNATOをフランスのマクロン大統領(フランスの大統領)に任せたいと思っているフシがあるようだ。

そして、マリーヌ・ルペン氏を追い落としたあと、マクロン大統領が創設した中道右派政党「再生」が国民連合と組み、国民連合の掲げる右派ポピュリスト的な政策を連立政権の基本政策にするというものだ。しかし、1月27日に発表されたマクロン大統領の支持率は21%しかなく、大統領に就任した2017年の以来で、最も低くなった(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-01-27/SQPUMXT0AFB400)。上記のシナリオがそのまま現実のものになるかは、不透明だ。やはり、政敵を謀略にかけて失墜させるというのは、民主主義国家としてはあり得ない。マクロン大統領は、謀略によるマリーヌ・ルペン氏の追い落としをやめ、再生と国民連合の連立政権を目指すべきではないか。
欧州諸国家を残したまま、欧州連合(EU)で政治・経済・外交・軍事政策を決めるというのは無理がある。これからは、EUやNATOから脱退する欧州諸国家が増えてくるだろう。西欧・東欧・ロシアが共存できる「ユーラシア欧州」構想を構築していくべきではないか。